たとえばこんなはなし
気が向いたら書くブログ
仕事を辞めて2ヶ月間ニートをした。好きな時間に好きなことを好きなだけやった。人生の夏休みだった。
そのなかでも、とくに料理が楽しかった。実家にいた頃は自室にこもりっきりで、キッチンに立ったことなんて一度もなかった。
カフェのアルバイト時代、ホールもキッチンも両方やっていたから包丁はなんとか使えた。使い方を教えてくれた店長、先輩のお姉さんたち、ありがとう。
クックパッドやインスタをみて、作れそうなものを探していく。1番最初に作った豆腐ハンバーグは水切りに失敗してベチョベチョになった。ネットで調べて小麦粉で水分を吸い取った。
お菓子作りは元々好きだった。順番通りに決まった分量と決まった材料を入れるだけだから。
料理はお菓子作りと違った。野菜は下処理が必要だし、塩ひとつまみ、コショウ少々、しんなりしてきたら、香りが出てきたら、正直加減がわからなかった。
この2ヶ月、平日はほぼ毎日夕飯を作った。全部なんとなく、適当に。だけど不思議なことに全部美味しかった。なんだ、これで良いのか…と驚いたし、少し自信になった。
レシピ通りじゃなくても全然OKだった。創造が膨らんだ。大さじ一杯とかはちゃんと守ればだいたい美味しい。
スーパーも毎日値段が違う、面白かった。昨日高かった野菜が今日は安い。節約が好きだから、冷蔵庫にあったものを考えながら献立を決めるのは楽しかった。
ただの甘えかもしれないが、仕事から帰ってきてサッと料理を作るって知識ゼロだとむずかしいと思った。私は野菜の食べ方すら知らなかった。少しだけ、経験値を上げられた気がした。
仕事を辞めて、患者さんと接するキラキラした自分がなくなって、虚無だった。
だけど料理をすることで、小さな達成感が積み重なって少しだけ前向きになった。好きなことが増えて嬉しかった。
頑張ったら頑張った分だけ結果が出る、シンプルで良い。
なにより自分が食べるのが好きなのだ、栄養バランスや旬のものを考えて、これからどんどん料理ができるようになりたい。
明日はなにを食べようかな。